農業の現状-1

農地を放置した場合に課税の強化
 遊休農地を減らすために農地法が改正されました。この法律は農業委員会が、農地所有者に対し、農地中間管理権の取得に関し農地中間管理機構(機構)と協 議すべきことを勧告した農業振興地域内の遊休農地が対象となります。この勧告が行われるのは、機構への貸付けの意思を表明せず、自ら耕作の再開も行わないなど、遊休農地を放置 している場合に限定されます。
平成29年度より実施。
 
耕作放棄地の地域と農業従事者の年齢の割合
 最近10年間の全国の耕作放棄地面積率は、昭和31年基準、約30%(令和6年)へと増加しています。また、高齢化が進むほど耕作放棄地面積率が増加する傾向にあり、特に中国地方では、その傾向が強くみられます。

写真は小田原市近郊の耕作放棄地

農地バンクとは
 農地バンクは令和5年度より、市町村が、「協議の場」の結果を踏まえ作成した「目標地図」を含む、「地域計画」の達成に資するよう、地域計画に位置付けられた者に農地の貸借等を行います。
 また、地域計画外の区域についても、必要に応じて農業委員会が農地バンクに対して農用地利用集積等促進計画を定めるべきことを要請する等により、農地バンクを通じた権利設定は可能となっています。
 このため、農地の貸し借り等のご相談については、該当地域の、地域計画の策定主体である市町村または農地利用最適化業務を行う農業委員会にお問い合わせください。また、農地バンクにも相談窓口を設置していますので、お気軽にお問い合わせください。
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kikou/nouchibank.html#toiawase
以上出典は農林水産省のホームページ

写真は北海道農政部農政課のホームページ

新規就農者育成総合対策

政府の取り組みは
新たに農業を始めたい方に新規就農者育成総合対策が:
農業人材確保推進事業
 農業経営・就農支援体制整備推進事業のうち経営・就農サポート事業
 改正農業経営基盤強化促進法に基づき、都道府県が農業経営・就農支援センターとしての機能を担う体制を整備し、就農等に関する相談対応、希望に応じた市町村等関係機関への紹介・調整、農業経営の改善、法人化や円滑な継承等に必要な助言・指導などを行う取組を支援をしています。
 
例 道府県農業大学校や先進農家等で研修を受ける場合、研修期間中に月12.5万円(年間最大150万円)を最長2年間交付します。この制度は変更される頻度が高いので最新の政策を調査下さい。
 
新規就農者が抑えて頂きたい事項とは
 農業経営には人、モノ(農機具等)、資金と農業に特有の農地があります。
就農するためにはまず農地の取得から始めます。地域の農業委員会に相談をしますが農地は先祖伝来の農地のためすぐ貸すか、売却してくれる農地はまずないと考えたらよいです。
一つの方法としてまずは当該地方の農業法人に就職して、実績と信用を得てこの方には農地を貸してもよいと思えるようになるのも一つの方法です。
 
経営開始資金
 新規就農者を支援するための資金で、主に以下の内容があります。
交付額: 新規就農者は、最大150万円を受け取ることができ、夫婦で就農する場合は1.5人分の交付が可能です。                             
対象者: 認定新規就農者が対象で、申請には市町村を通じて行う必要があります。
支援期間: 経営が安定するまでの間、最長3年間の支援が行われます。
この資金は、農業経営を始める際の初期投資や運営資金として利用されます。 
 
小規模事業者持続化補助金
 既に農業を始めている小規模事業者に人気の「小規模事業者持続化補助金」は、以下のような制度です。
目的: 小規模事業者が販路開拓や業務効率化にかかる経費の一部を国が補助する制度です。
申請条件:従業員が20人以下
補助金の使途:販路拡大、農業機械購入、チラシ配布等
補助率:2/3
補助額上限(通常枠):50万円
補助額上限(特別枠):200万円
インターネット、直売所等で農作物を直接消費者に販売する場合等に使う例もあります。道の駅、小売店などJA以外の出荷先があります。
系統出荷の収入のみで経営している個人農業者は対象外です。例えばJAのみで経営している個人農業者は対象外です。
 
地域おこし協力隊
 都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年から3年です。
 
その他下記の補助金もご参考 このページのトップページに各省の補助金欄があります。
経営開始資金、経営発展支援事業、青年等就農資金等

地方公共団体の支援は
 自治体による担い手の誘致と、荒廃農地を活用した農業移住者への支援
地方公共団体(都道府県・市町村等)および国が実施している「新規就農」への支援制度には、資金援助、研修・教育、農地・施設整備、税制・融資など多岐にわたるものがあります。
 制度は自治体によって内容・要件が異なるので、具体的にはお住まいの地域の自治体に確認するのが重要ですが、一般的な支援内容を以下にまとめます。
主な制度・支援内容
認定新規就農者制度
 新たに農業を営もうとする人が「青年等就農計画」を作成し、市町村がそれを認定する制度。
認定を受けると、様々な優遇・支援措置が利用可能になります。
「青年等就農資金」の無利子または有利な利子での貸付(設備・施設・機械の取得など)られます。
 
経営開始資金の交付(就農直後に収入が不安定な期間を支えるための給付金)
就農準備資金
 就農前の研修を受ける期間、収入がない・少ない期間を支えるための資金。研修機関で学ぶための費用や生活費補助が含まれることがあります。
 
経営開始資金・経営発展支援
 就農後、経営を安定させるための初期投資(施設・機械・設備等)の補助や貸付、また営農技術や販売ルートの確保など経営力強化を支える支援があります。
 
無利子・低利融資制度
 認定新規就農者等を対象に、機械・施設取得等のための融資を無利子または優遇金利で行う制度。保証人・担保の要件が緩いことがあります。
 
自治体独自の補助金・助成金
 市町村や都道府県が、地元の実情に応じて設けている助成制度。たとえば、農業実習・体験、資格取得の助成、農地賃借料・家賃の補助、設備取得の補助、住居の支援など。
 
研修・技術支援・相談窓口
 農業改良普及センター・JAなどが就農希望者を対象に研修や相談を実施。現場での実習や先進的な営農ノウハウを学ぶ機会の提供。
 

農業の現状ー2

新規就農者が抑えておきたい日本農業の現状には「農産物と年齢別従事者の割合」も抑えておきたいデータです。

最近の農業技術の進展度合い、AI、DX、スマート農業

 農業の現場では、ロボットやAI、IoT等の先端技術や農業データを活用し、農業の生産性向上等を図るスマート農業の取組が広がりを見せています。          
 スマート農業は、担い手の減少・高齢化や労働力不足に対応するとともに、化学肥料や化学農薬の削減等環境負荷低減に役立ち、みどり戦略実現の鍵となるものです。また、令和4(2022)年12月に閣議決定した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」においても、その柱の一つである「地方に仕事をつくる」の中に、スマート農業の取組を位置付けています。
 農林水産省は、スマート農業技術を実際の生産現場に導入して、その経営改善の効果を明らかにするため、令和元(2019)年度から全国205地区でスマート農業実証プロジェクト(以下「実証プロジェクト」という。)を展開しています。農研機構が実質的に管理、運営をしています。
農研機構:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 本部は茨木県つくば市にあります。各地域にも研究センターがあります。

スマート農業の現状

ロボット系
 ロボットトラクタ、自動アシストコンバイン、UAV(UAVとは「Unmanned Aerial Vehicle」の略であり、無人航空機全般)、可変施肥、肥料散布ドローン、遠隔操作草刈り機、ラジコン草刈機、リモコン草刈機、遠隔操作草刈機、除草、防除、農薬散布ドローン、軽労化、アシストスーツ、運搬、水管理システム、自動操舵システム、リモコン式草刈機、農薬散布ドローン、自動操舵トラクタ等があります。
データを活用した生育支援
 水管理システム、農業版ICDの導入及び運用支援(ICDとは、国際疾病分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)の略称で、病因や死因を分類し、統計データを体系的に記録・分析するためのものです。
 露地品目(タマネギ等)および水稲(業務用米)において、収穫量・気象データ・生育データ等、農業生産に係るデータをまとめて蓄積・見える化する。環境センサー(土壌などの栽培環境データの取得・可視化)の活用。                ドローンを活用した栽培管理(センシングデータ等の活用) 自動水管理システム等。
経営支援ツール
 経営管理システムRightARMの導入および活用支援(ライトアームは、赤字農業の現場から生まれた経営支援ツールです。生産・収支の「見える化」と「計画管理」を通じて、農業をもっと安定した、成長可能な産業へ導きます。)生産管理支援システム。
農産物の輸出も将来の視野に
 この数年で日本の農産品の輸出は急激に増加しています。しかしオランダは耕地面積が狭いながらも、世界第3位(2019年)の食料輸出額を行っています。
 オランダは限られた農地を有効活用するため、高収量品種の育種や多収技術の開発、農作業の機械化や資材規格の統一等による生産コスト削減に努めており、資本・労働集約型の施設園芸(下記の注参照)や酪農・畜産による高収益作物の生産の特化が進んでいます。施設園芸では、トマト、パプリカ、キュウリ、花き等を生産をしています。
 主要農産物は、花き類(チューリップ等)、てん菜、ばれいしょ、玉ねぎ、トマト、生乳、豚肉等。                              
下表は農林水産省の資料から追加加工したデータです。品目別に合計した表ですが、農業を志す人には将来輸出も視野に入れて頂きたく作成しました。
注:施設園芸農業とは、ビニールハウスやガラス温室といった「施設」を利用して作物を栽培する農業形態を指します。

日本とオランダの品目別栽培量

 この表から読み取れるのは日本とオランダの人口比較で、オランダは日本の15%です。しかし、ばれいしょは3.3倍栽培、てん菜は2.0倍、牛乳は1.3倍です。またオランダの人口は日本の15%しかいないのに、タマネギ、トマト、豚肉などは日本と同じくらい生産をしています。日本人の緻密な能力を生かして将来計画には輸出もテーマにしていただきたく考えます。
 
てん菜:カブ科に属し、その根からは砂糖の一種で、無色透明で光沢のある結晶を持ち、淡白な甘味が特徴を持つしろ糖(白下糖)をとることができます。                                                   以下に農林水産物・食品の各種輸出データを載せました。

農林水産物・食品輸出額

農産物の輸出額推移